夏休み中に増えるといわれる「デートDV」。

夏休み中に増えるといわれる「デートDV」。交際相手から受ける暴力のことで、殴る・蹴るといった身体的暴力だけではなく、言葉でののしったり、「別れたら死ぬ」などと脅したり、嫌がっていることを強要したりするなど、相手の心を傷つけることも含まれる。「全国デートDV実態調査(※)」によると、交際するカップルの3組に1組でデートDVが起きているという。※「全国の20~60代の男女2,000人に聞いた!『デートDV』実態調査」
https://net-keiei.com/news/archives/38305 しかし、その陰湿さや深刻さが、男性にも伝わってしまうことが、女性にとっては悩みどころだ。
「デートDV」という言葉が生まれるほど、男性が恐怖を感じてしまうような状況になっているとしたら、それを打破する方法はあるのだろうか? 今回お話を伺ったのは、『夫源病』(幻冬舎新書)の著書もある、夫婦問題研究家の上野千鶴子さん。
「実は、この『デートDV』には明確な定義がないんですよ。一般的に言われるのは、配偶者からの肉体的・精神的暴力ですが、暴力が振るわれる場所もさまざまです。レストランで食事しているときに突然殴られたり、ドライブ中、いきなり殴られるなど、ケースによってさまざまなんです。私はこれを、『パートナーへの支配欲』としています」
つまり、夫が妻を支配し、コントロールしたいと願う気持ちのこと。夫は妻より力が強いため、強いものに支配されたいという本能的な欲求を持っているようだ。また、夫にとって妻は自分の子どもと同じような存在であり、子どもを守ろうとする本能があることから、妻と子どもを傷つけたくないという気持ちもあり、攻撃性は低くなる傾向にあるという。
だが、このタイプの男性でも、妻が他の男性に心を寄せることを極端に嫌う傾向があるとか。それが、妻の浮気防止策となり、結果として、DVへと発展してしまうこともあるのだそうだ。
「たとえば、妻がSNS上で男性の話題を出しただけで不機嫌になる夫は多いですよ。もちろん、そういうときは、必ず暴力を振るわれるわけではなく、暴言を吐かれたり、無視されたりすることもあります。こういったことは、特に結婚生活の長い女性に多い